胃のイラスト画像

日本人の2人に1人がかかると言われる”がん”
がんの部位別トップである胃がんは、世界的に見ても特に日本人に多いそうです。

「がん家系じゃないから心配無いわ~」
なんてくくりは意味がないほど身近な病になってしまいました。
今日は、L4YOU!という番組で胃がんのスーパードクターを紹介していたので、情報をまとめました。

胃がんの患者さんの症例や検査方法など、要チェックですよ。

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胃がん手術のスーパードクター福永先生とは?

人口10万人あたりの胃がんによる死亡数ですが、
日本 14,236人
イタリア 6919人
ドイツ  5655人
フランス 4165人
アメリカ 2598人

日本が圧倒的トップで、年間で47,903人が死亡すると言うデータがあります。
(2014年胃がん死亡者数)

そんな日本人に多い胃がんから患者を守るスーパードクターが、
順天堂大学医学部 消化器・低侵襲外科教授 福永哲先生です。

低侵襲外科とは?

およそ170年以上の歴史と伝統を持つという、順天堂大学医学部付属 順天堂医院。

ここに2015年5月に新設されたのが、消化器・低侵襲外科です。
そしてこの低侵襲外科のトップが福永哲先生です。

低侵襲外科とは、
検査や治療において、出来る限り患者の体への影響を減らした治療法とのことです。

福永先生について同僚の医師に聞くと?

「手術時間も早く、出血もないすごくきれいな手術をされる。」
「難しい手術でも簡単にしているのは裏打ちされた技術だと感じる。」

これまで、2500人の命を救ってきた胃がん手術のスペシャリストである福永先生が行うのは、
”腹腔鏡下手術”

腹腔鏡下手術とは、
お腹に穴をあけて内視鏡スコープと細長い鉗子(医療器具)などを挿入して行う手術です。

福永先生の腹腔鏡下手術の場合、
・手術時間が短く回復が早いため、翌日には歩ける人もいる。
・開腹手術より傷が目立たない

このようなメリットがありました。

症例:早期胃がんの患者さん

08:30 カンファレンス(スタッフ会議)
この日の手術内容についてスタッフ全員で確認。

鈴木裕子さん35歳
早期胃がんの患者さんです。

Q:福永先生に手術をお願いするきっかけは?
自分で色々調べて、どうしても福永先生に見てもらいたいと、お願いしました。
外来に来ていただければということで今回手術を受ける事に。
福永先生は、たくさんの手術実績があるので技術もあり、工夫して手術をして下さると言う事です。

Q:病気に気付いたきっかけは?
約1ヶ月ほど前、
お腹が空いていつものようにお昼ご飯を食べた後リビングでくつろいでいると、突然吐き気をもよおし嘔吐してしまったそうです。
そして、その嘔吐物には血液が。。。
慌てて近くの病院へ行くも、嘔吐の際に気管が傷ついた事による軽い気管支炎と診断されたそうです。

家に戻ると、
お腹が痛くなり、その時は血の気が引く感じで倒れそうになりました。
夕方になり、
夕食の準備中に、また急に具合が悪くなり下血しました。
そして、がんと診断されたのです。

がんは、大きく二つに分かれるそうです。
早期がん:
胃の粘膜と粘膜下層にがんがとどまっているもの。
進行がん:
がんが筋層よりも深くに達しているもの。

鈴木さんのがんは直径4.5㎝の早期胃がんと診断されたが、実際にはもっと大きい可能性も。
福永先生によると、
最初の病院で進行性胃がんと診断され、開腹手術で胃を全摘出する予定でしたが、
検査した結果、
腹腔鏡下手術で胃を残せるという判断をしたそうです。

福永先生は、進化した腹腔鏡下手術では、今まで難しかった進行胃がんの方でも十分安全な手術を受けることが出来ると言います。
また、胃がんは早期発見なら100%治すことが出来るそうです。

福永先生のもとには、他の病院で断られた患者さんたちが続々と訪れ、
手術には、全国から医師たちがその神業テクニックを学びにくるそうです。

いよいよ腹腔鏡下手術開始!

10:00手術開始
全身麻酔、お腹に穴をあけて二酸化炭素ガスを注入してお腹の中を膨らませ、これによりお腹の中に操作するスペースが確保できたので、内視鏡スコープを挿入。

最初から腫瘍を診に行くとそっちに目が行っちゃうので、必ず正常なところから検査をする
お腹の中を確認した後、お腹に4箇所穴をあけて鉗子を挿入。

ポイント1:両開きの鉗子

福永先生が使っている鉗子は、通常の鉗子と異なり両開き。
両開きにする事で触角がわかりやすくなり、繊細な動きが可能となる。

両開きによって鉗子をまるで指のように動かすことが出来るそうです。

ポイント2:助手との連携

鉗子を使って手術を進める福永先生の横にはカメラを扱う助手、鉗子を扱う助手の二人の助手がいて福永先生の手の届かない場所をサポート。
この助手との連携をも手術を成功させる大きなカギとなるそうです。

ポイント3:リンパ節の郭清

次に手術の最重要ポイントは、
胃の周りのリンパ節に潜むがんを綺麗に取り除く事。
胃がんは周辺のリンパ節に転移が起きやすいのです。

リンパ節は胃の周りの脂肪におおわれており、
どのリンパ節ががんに侵されているかを判別するのが非常に困難。

もしがんが浸潤したリンパ節を取り残してしまうとそこから全身にがんが広まってしまう可能性があり、より慎重な作業が求められる。

その処置に必要なのは、”超音波凝固切開装置”
ほとんど出血することなく組織を切り取ることが出来る最新医療器具です。
この装置で他の臓器を傷つけることなく見極めながら慎重に作業を進めます。

開腹手術だと細かい神経まで認識できないが、腹腔鏡下手術だと良く見える。

ポイント4:立ち位置を変える

ここで患者の右から左へ立ち位置を変えます。
これが福永方式です。

通常開腹手術では執刀医が患者の右側に立ち、そこからがんに侵されたリンパ節を除去していくが、当初腹腔鏡下手術でも同じように行っていたが、この福永方式は患者の左側からも行う福永先生考案の手術法です。

そのメリットは、
リンパ節を含む組織を切除することがより短時間で安全にできるようになった

広い視点から安全で確実な手術が出来る福永方式は全国に普及。
豊富な経験と知識を基にミリ単位の正確な手術を行う福永先生。

手術開始から1時間後、リンパ節郭清が終了、胃を切ります。
自動縫合器
ステープル(接合)しながら切離もできる機械
切除した胃を取り出し、胃と十二指腸を接合して終了。
一般的な手術よりも2時間ほど早く終了

胃を残すことのメリット

安全・正確に手術を行う事が第一条件ですが、手術時間が短いと患者さんの負担が短くて済みます。
胃は最初の予定通り、全摘ではなく1/4程度残せることに。

これにより急激な体重減少を防ぐことが出来ます。

手術の翌日には歩いていた!

元気に歩く鈴木さんの姿が。
手術はあっという間に終わった感じだったんだけど、胃を残してもらえてホッとした鈴木さんでした。

福永先生は、
これから日本は高齢化社会になります。
今後80歳や90歳で胃がんの手術を受ける患者さんも増えると思います。
その方々が腹腔鏡下手術を受けてより長生きできる時代になればと思います。

高齢になると、「この年齢では手術は無理」という判断をされることも少なくありません。
私の父もそうでした。

福永先生が行うような手術だったら本当に80、90歳になっても手術で元気を取り戻すことが出来るかもしれませんね。

胃がんのステージとは?

胃壁は内側から、
・粘膜
・粘膜下層
・筋層
・しょう膜下層
・しょう膜
で構成されていますが、

この中で、粘膜下層までが早期、筋層以下が進行がんと分けられています。

ステージは、これにリンパ節への転移などを含めて判断されるそうです。

進行性胃がんも腹腔鏡下手術で

福永先生の施設では、
9割が腹腔鏡下手術で行っていて、筋層以下の進行胃がんも腹腔鏡下手術を行っているそうです。

進行したがんを腹腔鏡下手術で本当に大丈夫なのか、とても気になるところですが、
先生は、「大丈夫です」と、言い切っていました。

「これまでずっと症例を重ねながら、研究を重ね、ここまで慎重に適用を拡げてきたので、安心してください、大丈夫です。」との事。

とてもシャイな感じで物静かな信頼感のおける感じの先生です。

抗がん剤の使用はあるのか?

進行している場合には、手術の前後に併せて一緒に治療に取り入れる事が多いそうです。

高齢者こそふさわしい腹腔鏡下手術

福永先生の施設では、80代の方も多く、最高齢では90代の方もいらっしゃるとの事、

もちろん手術前には麻酔に耐えられるかなど、
・心臓
・肺
の機能を調べたうえで問題が無ければ、十分手術が可能だと言う事です。

高齢者の場合は術後の肺炎が問題になってきますが、
腹腔鏡下手術の一番の特徴は肺の合併症が少ない事

高齢者にこそふさわしい手術と言えるそうです。

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胃がんの詳しい検査方法とは?

早期がんであれば、100%治ると言われても、早期がんの特徴は症状に現れにくい事。

なので、定期的な検査が必要になってきますが、
検査と言うと、痛みが出て初めて検査を受けるというのが一般的。

また、検査と言うとバリウムを使ったX線検査を選びがちですが、
福永先生は、内視鏡検査がおすすめだと言う事です。

内視鏡検査とは?

内視鏡検査は胃カメラとも呼ばれ、超小型の内視鏡カメラを胃や鼻から胃の中に入れて観察する検査です。

X銭検査は、胃の全体像が分かるのに比べ、
内視鏡検査では胃の粘膜のわずかな変化も鮮明な画像で映し出すことができるため、胃がんを早期の状態で発見することが出来るのです。

胃がん検診に内視鏡検査の選択肢が増えた

2016年4月、厚生労働省が勧める胃がん検診の指針に、X線検査だけだった検査方法に、内視鏡検査が選択肢に加わりました。

また、韓国の2013年の検査では、内視鏡検査の検診で、
「胃がんによる死亡率が何と、57%減少」
したという報告もあるそうです。

内視鏡検査を受ける事で、胃がんで死亡するリスクはかなり軽減することが出来ると、福永先生はいいます。

内視鏡検査を受ける頻度と費用は?

40歳以上は年1度受ける事をおすすめしますとの事。

費用は、
保険の適用外で15,000円ほど。
3割負担で3~4000円ほど。

発見の難しいスキルス性胃がんとは?

通常は、がんが胃の粘膜から発生してくるため、発見されやすいが、
スキルス胃がんの場合は、粘膜には見えない粘膜の下でがんが浸潤していくため発見されにくいそうです。

このスキルス性胃がんは、
・若い女性
・中年の女性
がなりやすい事が分かっているそうです。

福永先生の施設では、20代、30代、40代の女性がいるそうです。

スキルス胃がんの場合、発見されにくいが、内視鏡に十分に慣れた専門の医師が行えば分かるとの事。
また、X線検査もスキルス胃がんの発見には有用との事です。

胃がんリスクの要因は?

・塩分の過剰摂取
・喫煙
・野菜、果物の摂取不足
・ピロリ菌の感染

4つのリスクの中でも一番の原因は、ピロリ菌です。
ピロリ菌保菌者は、胃がんのリスクがなんと5倍!

胃がん患者を調べてみると、実に94%の人がピロリ菌に感染している事が分かったそうです。

上下道の下水が完備されてない頃に、井戸水から口に入って感染を起こすことが多かったピロリ菌。
両親が持っていると、子供に移ることもあるそうです。

50歳以上では、約80%の人が感染、
日本人感染者は約6000万人とも言われています。

ピロリ菌は胃酸で死なないの?

胃の粘膜は、
・食べ物を消化する胃液
・胃液から粘膜を保護するための粘液
これらを分泌しています。

この粘膜を保護する粘液に棲みつく最近で、胃の中の尿素を分解して作ったアンモニアのバリアで胃酸から身を守りながら、自在に動き回っているのです。

ピロリ菌は何故病気を引き起こすのか?

順天堂大学医学部 消化器内科 准教授 北条麻理子先生によると、
ピロリ菌が出すCagAという毒素が胃がんに強く関与しているそうです。

ピロリ菌が出すCagAは、胃の中の遺伝子を変化させたり、細胞内に侵入することで、胃がんを誘発すると言われているそうです。

世界保健機関WHOでは、あの肺がんを引き起こすアスベストと同じ基準で、ピロリ菌を第一級発がん因子に認定しているそうです。

恐ろしいピロリ菌の検査方法は?

北条麻理子先生によると、尿素呼気試験がおすすめとの事。

尿素呼気試験とは、
試験薬を内服してその前後で呼気を集めて調べる検査法で、

胃にピロリ菌がいる場合、尿素がアンモニアと二酸化炭素に分解されるため、錠剤を飲む前よりも多くの二酸化炭素が呼気から検出されるそうです。
つまり、尿素を服用する前後の呼気の二酸化炭素を比較して、ピロリ菌の有無を確認する検査なのです。

最も有効的なABC検査とは?

ピロリ菌が胃がんの原因となることが認められた現在、
ABC検査を受ける事が有効な対策だと北条先生は言います。

ABC検査とは、
採血で調べる検査方法で、ピロリ菌に感染しているかどうか、胃の粘膜が老化、萎縮していないかを調べることが出来る検査です。

ピロリ菌が見つかった時の除菌法は?

2種類の抗菌薬胃酸の分泌を抑える薬、合計3剤を服用します。

ピロリ菌除菌の保険適用は?

これまでは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などを発症した人のみ保険による除菌治療が可能でしたが、
2013年2月から保険適用が拡大され、前がん状態となる胃炎と診断された人も保険による除菌が可能となったそうです。

ピロリ菌を除菌すると?

胃の粘膜の飛騨の粘液や腫脹が無くなり、奇麗な状態になっているのが一目瞭然になるそうです。

正しく薬を服用すれば除菌療法は、約75%の確率で成功すると言われています。

除菌に失敗したら?

1回目で失敗しても、2回目を行えば、97%以上の確率で成功するそうです。

そのため、除菌すれば胃がんの発生率が約3分の1に減少すると言われています。

ピロリ菌に関しての注意点!!

乳幼児への口移しは✖

ピロリ菌の感染は、胃酸の少ない乳幼児期に感染することがわかっていて、その時期をうまくブロックできれば一生感染しないと言われているそうです。

ピロリ菌の今後は?

上下道が完備されていない時代は感染率も高かったが、現在中学生の感染率は5%程度の感染率と言われているので、今後は減っていくと思われるそうです。

胃カメラで胃のポリープが発見された!

視聴者からの質問:
胃カメラで胃に5㎜くらいのポリープが発見され、組織検査をしたらがんではなかったため、そのままになっているが大丈夫なのか?

福永先生によると、
胃のポリープと大腸のポリープは全く性質が違うので、組織検査も済んでいれば、経過観察でOKとのことです。

私も1年に一度は胃カメラ検査を受けていますが、小さなポリープは出来たり減ったりしているそうです。
特別取る必要のないものだということで、そのままですが何となく気になりますよね。

大腸カメラとともに定期的な検査を忘れないようにしたいと思います。

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