今日は7月3日、
昨日は藤井聡太四段の対局があったり、
都議選があったりで、

速報を流す番組も右往左往してましたね。

そんな昨日の夕方、
NHKの「これでわかった!世界のいま」という番組で、
「知っているようで知らないG20サミットが面白くなる裏話」が放送されました。

7月7日・8日と2日間にわたりドイツのハンブルグで開催される
G20サミットを前に、

G20サミットって何?という人にも
わかやすい内容だったので記事にまとめてみました。

超ロング記事です。

こちらもご覧ください↓
G7サミット2017参加国の首相とファーストレディとは?開催地イタリアについても

過去のサミット開催地と参加国&集合写真の立ち位置ルールを破った日本の首相

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G20サミットとは?

G20サミットについて解説したのは、
サミットの舞台裏を取材した経験を持つ国際部デスクの小宮智可さんと、
日本政治・外交担当の岩田明子さんです。

G20サミットの意味は、
G=グループ
20のグループという意味で、

正式名称は、
「主要20か国首脳会議」

G20サミットは、
1年に1度、先進国から途上国まで20の国の代表が集まり、
環境問題や経済など世界的な課題を話し合う会合で、

最終日には話し合ってまとまった結果を文章にして、
今後の世界の方向性を声明として発表する重要な会議です。

国際部デスクの小宮智可さんも、
北海道洞爺湖でサミットが開かれた際は、

その内容を知るために開催の半年前から会議を行っている人に密着取材をしたほど、
重要な会議だということです。

G20と名の付く会議自体は色々あり、
環境大臣や財務大臣などがそれぞれのテーマに従って20か国の代表が集まり話し合いますが、

その中でも首脳会議は首脳同士、一番偉い人が集まり話し合う会議なので最も重要な位置づけとなります。

G20参加国のGDP(国内総生産)の合計は、
世界の90%に達するので、G20で決められたことの影響は世界にとって、とても大きいものとなります。

G20では、これまで様々な意見を出し合い、
時には対立しあったり、
共同戦線をはったりなどしながら声明の中身を決めてきました。

各国それぞれの思惑がある中で、皆が納得しない限り声明は出せないのです。

G20サミットの参加国一覧

G20サミットの参加国は以下になります。

注目するポイントは、
G7以外の中国やロシアと言った経済や安全保障に影響力がある国が参加している事。

それだけに、それぞれの利害が対立しやすく、
合意が難しいと言われています。

G7:
ドイツ・フランス・イギリス・イタリア・日本・カナダ・アメリカ・EU
新興国:
アルゼンチン・オーストラリア・ブラジル・中国・インド・インドネシア・韓国・メキシコ・ロシア・サウジアラビア・南アフリカ・トルコ

G8とG20の違いは?

世界を引っ張ってきたのは、昔からG8といって、
日本・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・カナダ・ロシアの8か国の

お金持ちである国々が話合い、世界の経済の方向性を決めてきました。

2008年頃に起きたのがリーマンショック、
お金持ちの国を含めて世界の国々の経済は急降下、

そこで、当時稼ぎまくっていた中国に対して、
G8は「お金を出して、参加して」とお願いをし、

中国は、仲間がいたほうが意見を通しやすいという事で、
「ブラジルやインドネシアとかと一緒なら良いよ」という事で、

G8とは別に始まったのが、G20です。

でもこのG20は、
アメリカをはじめとするお金持ちの先進国と、
中国をリーダーとする発展途上国とが中々同じ方向へは向かいませんでした。

でも、ここ最近この対立構図が変化してきています。

G20サミット2017の構図とは?

G20サミット2017は、
7月7からドイツのハンブルグで2日間にわたって開かれます。

全体会合のテーマは、
・自由貿易の推進
・温暖化対策「パリ協定」

 

これまでG20サミットは、
「自由貿易を公正なルールで」進めていこうというアメリカ中心のグループと、
中国を中心に話を進めていこうというグループで張り合っていました。

「アメリカ中心のグループ VS 中国中心のグループ」

今回のサミットでは、
アメリカが中心から抜けてしまい、

「アメリカ VS 残りの19か国」
という構図になりそうだというのです。

その原因はトランプ大統領でした。

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トランプ大統領の主張とは?

トランプ大統領は、
「自由貿易?は?何言ってんだ!アメリカは保護主義でやっていく!」と言い、

よその国から入ってくる商品に高い関税を掛けたり、
自分の国だけを保護しようという「アメリカ第一主義」を主張しています。

今回のサミットで重要な点は、
声明の中に「保護主義と闘う」と入れられるかどうかにあります。

これまではアメリカが中心に入っていたので、
声明の中に「保護主義と闘う」という文言が入ってましたが、

今回はアメリカが抜けてしまったため、
この文言を入れることが出来るのかが重要なポイントとなります。

「保護主義と闘う」を入れる事で、
そんな我がままは許されないとくぎを刺したい狙いがありますが、

一方トランプ大統領は、
国内ではロシアやFBI長官の介入を巡る問題などで窮地に立たされているので、
譲る気はないと見られています。

日本が一石を投じる?

自分の国の産業を保護したいトランプ大統領に対し、
一石を投じようとしているのが「日本」でした。

トランプ大統領に公正な自由貿易の大切さに気付いてもらおうという作戦です。

公正な自由貿易の大切さとは、

「自分の国も時には損することもあるかもしれないけど、
とりあえず共通のルールを決めましょうよ♪」というスタンスです。

これまではアメリカも自由貿易側だったのに、
トランプ政権になってから「保護主義」を主張し始めたのです。

TPPを離脱したアメリカ

例えば日本とアメリカが旗振り役だったTPPですが、
(*TPPは、自由で公正なルールを決めたもの。)

トランプ大統領は就任初日に離脱してしまいました。

トランプ大統領を振り向かせる日本の秘策とは?

そこで、
日本は欧州との関税を下げようという作戦に乗り出しました。

EPA(経済連携協定)です。

ヨーロッパから輸入したチーズや革製品などの関税を下げようとしている、
EUと日本との交渉で、

EU側は、
チーズやチョコレートなどの関税を撤廃、あるいは引き下げ、
日本側は、
自動車の関税撤廃を求めています。

7月3日早朝の朝日新聞のニュースによると、

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が、双方がめざす7月上旬の大枠合意に至る公算が大きくなった。
東京での交渉に臨んだ双方の閣僚が、合意に向けて大きな前進があったことを認めた。
6日にベルギー・ブリュッセルで開かれる日EU首脳会談で最後の対立点について互いの譲歩案を示し、合意する見通しだ。

とのことです。

これが何故トランプ大統領を振り向かせる秘策なのかというと、

日本とEUが組んで巨大な自由貿易圏が出来ると、
アメリカはEUに比べて日本への輸出や投資が不利になります。

つまり、日本はトランプ大統領に自由貿易のルールつくりも大事なんだと思わせたいのだと。

EUに競争力がつくと、
アメリカのお尻にも火がついて、日本との自由な貿易協定を急ぐ可能性が出てくるのではないかという作戦です。

TPPを抜けたアメリカがどれだけ損をするのか

例えば、
ヨーロッパとアメリカから日本へそれぞれ牛肉の輸入をするとして、

現在は、どちらから輸入しても関税は38.5%かかり、
とても高いものになっています。

ですが、もしTPPが始まっていれば、
この関税は16年目で加盟国は9%に下げられるはずでした。

なのにトランプ大統領が離脱してしまったため、
アメリカの関税は38.5%のまま。

一方ヨーロッパの関税も現在は38.5%ですが、
今回のEPAで妥結すると、9%に下げられ、

日本としては、アメリカよりもヨーロッパの牛肉の方が、
安く優位になります。

これでアメリカに焦りを感じさせようという作戦です。

トランプ大統領を振り向かせたい安倍首相の意気込み

2017年5月の先進国首脳会議でのこと、
トランプ大統領を前に安倍首相は、

「保守主義は誰の得にもならない。
高い水準のルールを世界に拡大する。」と言い放ちました。

パチパチパチ!!!

これに対してトランプ大統領は、
「日本の安全基準が厳しくてアメリカ車が日本市場へ入れない。」と、
さらに貿易不均衡問題を強調しました。

今回のG20でもこうした展開が予想されるという事ですが、

安倍首相はトランプ大統領の嫌いな
オバマ大統領の置き土産である「TPP」という言葉を一切出さずに、
TPPの重要性を訴えなければならないという難しさに直面しています。

日本が自由貿易に必死な理由とは?

日本が急ぐ理由は、
早くしないと自由貿易の陣営で急速な勢いをつけてくる中国の存在があるからです。

アメリカが自由貿易側から抜けた事で、
中国がその中心に取って代わろうと考えているのではないか、

今回のG20でも、
「自由貿易は必要だ!」と日本やヨーロッパと同じ立場で参加してくると予想され、

かつ、
日本やヨーロッパの主張を取り込みながらも、
自分たちに有利なルールつくりを主導しようというしたたかさ持っているのではないかという事です。

自分たちに有利なルールとは、
「模倣品などの取り締まりを厳しくするのは、あんま良くないよね~。」と。

最近の中国は、
80の国と地域からなる国際銀行を日本とアメリカ抜きで作ってみたり、
アジア中心の枠組みを作ろうと着々と周りを固めている状況です。

なので日本にとっては危機的状況、
焦ります。

危機的状況を回避する日本の作戦とは?

そこで日本はその事を逆手に取る作戦に乗り出しました。

「中国を巻き込め作戦」です。

中国という大国に接近、
アメリカにルールつくりの大切を促そうという作戦です。

その切り札が、
安倍首相から習近平国家主席に送った親書(手紙)です。

親書はA4版、
中国語と日本語で縦書きに書かれていて、
封筒は鑑定のロゴ入り。

今回この親書を習近平主席は、
開けて読んでから何度もうなづいていたそうです。

その親書の中身は手紙なので明らかにされていませんが、
実は。。。

”習近平閣下

「一帯一路」構想は、
地域の連帯を強め、世界経済を発展させます。

対話と連携を深めましょう。

安倍晋三”

このような内容だったという事です。

一帯一路構想とは、
中国がアジアとヨーロッパを陸上と海上でつなぐ巨大な経済圏の構想のこと。

中国による拠点作りとも言われています。

一帯一路についての記事はこちら↓
一帯一路サミット2017年29の首脳参加国一覧リスト&日本の立場とは?

その一帯一路についてここまで踏み込んだ親書は初めてだそうです。

5月、一帯一路の国際会議が北京で開かれましたが、
日本は自民党の二階幹事長を派遣、この親書を習近平主席に手渡しました。

この親書も、
中国への手紙なのに、実はアメリカをにらんだ日本の作戦の一つだったのです。

つまり安倍首相が言いたいのは、
「早く自由貿易のリーダーに戻って欲しい!」という事なのです。

日本の思いはアメリカに通用するのか

本来ならアメリカが自由貿易の旗手だったのに、
トランプ政権誕生後はまるで、アメリカと中国が入れ代わったようだという声も聞かれるほど。

「アメリカ抜きで中国はどんどんルールを作って行っちゃうよ、
早くリーダーの座に戻ってくださいよ。」と言いたいのです。

親書の存在を知ればトランプ大統領も焦るかもしれませんが、

トランプ大統領は、最近通商問題の司令塔にライトハイザー氏を指名、

ライトハイザー通商代表は議会証言で、
「日本は一方的に譲歩しろ!農業分野は日本が一番の標的だ!」
なんて物騒な事を言っている人。

この人はレーガン大統領の時代に次席通称代表を務めた超強面。

こういう人を選んだ時点で、アメリカ第一主義の旗を簡単には降ろさないのではないかとも思われています。

日本の取るべき道とは

アメリカは世界の警察官ではないと宣言したように、
世界の秩序構築の役割を手放しつつあります。

日本にとってアメリカとの同盟関係は、
以前として重要ではありますが、

流動化する国際情勢を考えればアメリカだけを頼って生き残る時代ではないということです。

日本独自の外交を、
中国や韓国、ロシアなどとの国と展開して、

それぞれの関係を強化しなければなりません。

今回のG20では、
アメリカ、ロシア、中国、韓国など多くの個別の会談も予定されています。

さらに世界の首脳の中でも古参になった日本の首相には、
関係が複雑に対立する各国の調整の役割も増えてきています。

今回のG20,
保護主義を巡る文言や安全保障などで結束したメッセージを打ち出すことが出来るのか、

大きな節目となりそうだという事です。

 

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